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まさかジープで来るとは

本をこよなく愛する又吉さんとせきしろさんの共著です。 自由律の俳句とエッセイが組み合わさった不思議な一冊です。

 

又吉さんの心の中にある引出しは、子供の頃のしょっぱい記憶や、若手の芸人として苦労を重ねた都会の片隅の暮らしや、誰かに恋をした淡い想いが何層にも折り重なっているようで、繰り返し読んでいるうちに、この先にあの長編文学作品があるのか、とか、舞台の上の不思議なコントのセリフが浮かんできます。

 

多分、普通の人とは見る目の視点が違ったり、心のチャンネルが違うんだろうなぁ、と思うのです。 でも、とにかく言葉がきれい。 そして自由律のぶった切るような潔さがとても面白い。

 

そうか。 こういう俳句もあるんだなぁ、と。 格付けとかやってる才能査定なんか関係ないよなぁ、と思ってしまうのです。 又吉さんがなんで面白いのか。 それはもう査定する云々の問題じゃなくて、彼が天才だっていうことをこういう本は思い知らせてくれるのです。